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こんにちは!テツです。
個人事業を始めたら「売上代金を小切手で受け取ったよ!」と戸惑っている人もいると思います。
あなたが受け取った小切手!実は、簿記上では現金として扱います。
今回は、簿記上における現金の種類と通貨代用証券の仕訳について解説します。
この記事は、以下のような人におすすめ!
- 初めての経理で簿記が解らない人
- 簿記上の現金の範囲を知らない人
- 簿記上の現金を改めて学びたい人
現金は通貨だけだと思っていると、後々の経理で問題が起きるかもしれません。
簿記上の現金は範囲が広いので、通貨以外にも現金の種類を知っておく必要があるわけです。
この記事を読み進めれば、簿記上における現金の種類がわかります。
最後には、簿記上の現金を理解したうえで、正確に仕訳を行えるようになりますよ!
それではどうぞ!
簿記上の現金とは
このタイトルでは、現金の種類と簿記分類について解説します。
それでは見ていきましょう!
現金の種類
現金の種類は範囲が広く、日常的に広く使われている通貨を初めてとして、現金と同じように扱われる通貨代用証券も簿記上の現金に含まれています。
具体的な現金の種類として、通貨と通貨代用証券の内容を見てみよう!
現金の種類 | 内容 | |
---|---|---|
通 貨 | 硬貨や紙幣 | 日本円や外国貨幣 |
通 貨 代 用 証 券 | 他人振出小切手 | 自分以外の他者が振出した小切手 |
送金小切手 | 銀行から購入して送金する小切手 | |
郵便為替証書 | 郵便局から購入して送金する証書 | |
配当金領収書 | 株主配当金を受け取るための証書 | |
期限が到来した 公社債の利札 | 公社債利息をけ受取るための証書 |
通貨は、普段から使っている硬貨や紙幣のことで日本円のみならず外国貨幣も含まれます。
通貨代用証券は、銀行などですぐに換金できる証券なので簿記上では現金と同じように扱います。
このように、簿記上における現金の種類には、通貨と通貨代用証券があると覚えておこう!
現金の簿記分類
簿記上の現金は、簿記の5大要素のうち資産に分類される勘定科目です。現金の仕訳をするときは、簿記5大要素の「増加と減少」から「借方と貸方」の記帳方法を判別します。
具体的に、簿記の5大要素から現金の簿記分類と記帳方法を見てみよう!
現金の簿記分類と記帳方法
簿記の5要素「資産」
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
増加(+) | 【資産】 | 減少(▲) |
現金 |
上記から現金は、資産に分類される勘定科目だと解りますよね!
資産「現金」の記帳方法は、現金が増えたときは借方に記帳。減ったときは貸方に記帳すると判別できます。
このように、現金の簿記分類は「資産」に含まれて、その分類の増減から「借方と貸方」の記帳方法がわかると覚えておこう!
通貨代用証券の仕訳
このタイトルでは、簿記上の現金として扱われる通貨代用証券の仕訳を解説します。
それでは見ていきましょう!
他人振出小切手
他者が振り出した小切手を他人振出小切手と呼び、受け取ったときは現金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「他人振出小切手の受取時」の仕訳を見てみよう!
例題「他人振出小切手の受取時」
B社に商品100円を販売し、同店振出の小切手を受け取った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
現金 | 100 | 売上 | 100 |
B社という他者が振り出した小切手を受け取ったので現金として扱います。
現金(他人振出小切手)を受け取ったので、仕訳帳の借方に「現金の増加」を記帳。商品を販売したので、貸方には「売上の増加」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、他人振出小切手を受け取ったとき、現金が増加するので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!
送金小切手
銀行から購入して送付されてきた小切手を送金小切手と呼び、受け取ったときは現金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「送金小切手の受取時」の仕訳を見てみよう!
例題「送金小切手の受取時」
広告報酬としてG社から送金小切手200円を受け取った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
現金 | 200 | 売上 | 200 |
G社からの送金小切手を受け取ったので現金として扱います。
現金(送金小切手)を受け取ったので、仕訳帳の借方に「現金の増加」を記帳。広告報酬を貰ったので、貸方には「売上の増加」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、送金小切手を受け取ったときは、現金が増加するので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!
郵便為替証書
郵便為替証書は、郵便局で購入できる証書。受け取ったときは現金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「郵便為替証書の受取時」の仕訳を見てみよう!
例題「郵便為替証書の受取時」
売掛金の回収としてM社から郵便為替証書500円を受け取った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
現金 | 500 | 売掛金 | 500 |
M社からの郵便為替証書を受け取ったので現金として扱います。
現金(郵便為替証書)を受け取ったので、仕訳帳の借方に「現金の増加」を記帳。売掛金を回収したので、貸方には「売掛金の減少」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、郵便為替証書を受け取ったときは、現金が増加するので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!
配当金領収書
配当金領収書は、株主配当金を受け取るための証書。受け取ったときは現金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「配当金領収書の受取時」の仕訳を見てみよう!
例題「配当金領収書の受取時」
配当金の支払いとしてT社から配当金領収書300円を受け取った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
現金 | 300 | 事業主借 | 300 |
T社から配当金領収書を受け取ったので現金として扱います。
現金(配当金領収書)を受け取ったので、仕訳帳の借方に「現金の増加」を記帳。配当金が発生したので、貸方には「事業主借の増加」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、配当金領収書を受け取ったときは、現金が増加するので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!
公社債の利札
公社債の利札は、利息を受け取るための証書。利払期限が到来したときは現金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「利札の期限到来時」の仕訳を見てみよう!
例題「利札の期限到来時」
N社が発行した社債の利払期限が到来したので利札250円(うち源泉所得税50円)を仕訳する。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
現金 | 200 | 事業主借 | 250 |
事業主貸 | 50 |
社債の利払日が到来したので利札を現金として扱います。
利払期限が到来した利札と徴収された源泉所得税は、仕訳帳の借方に「現金の増加」「事業主貸の増加」として記帳します。
公社債の利息が発生したので、貸方には「事業主借の増加」として記帳して、仕訳は完了です。
このように、公社債の利札の利払期限が到来したときは、現金が増加するので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!
まとめ:現金の範囲は広い
簿記上における現金の種類はわかりましたか?
今回は、簿記上における現金の基礎と通貨代用証券の仕訳について解説しました。
最後に、簿記上における現金の種類をおさらいしますね!
- 通貨(外国通貨も含む)
- 他人振出小切手
- 送金小切手
- 郵便為替証書
- 配当金領収書
- 期限が到来した公社債の利札
個人事業では、❶通貨は当たり前として、❷から❹まではビジネスで受け取る可能性があります。
受け取ったときは、通貨代用証券として現金で処理してください。
❺配当金領収書と❻公社債の利札は、配当所得や利子所得に該当するため、基本的に個人事業では処理しません。事業資金として受け入れたときは、この記事で解説したどおりに仕訳処理してください。
簿記上の現金は範囲が広いので、個人事業主は❶から❹を中心に学習を深めてくださいね!