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こんにちは!テツです。
単式簿記で経理を始めるにあたって「簡易帳簿ってナニ?」と、いきなり壁にぶち当たった人もいるのではないでしょうか。
今回は、簡易帳簿の基礎と単式簿記で使う5つの帳簿について紹介します。
この記事は、以下のような人におすすめ!
- 単式簿記の経理が初めてな人
- 簡易帳簿の基礎を学びたい人
- 簡易帳簿の内容を知りたい人
帳簿づけが簡単な単式簿記を採用しても、実際に使う帳簿が分からなければ先には進めません。
単式簿記で使う帳簿を知る必要があるわけです。
この記事を読み進めれば、簡易帳簿の基礎についてわかります。
最後には、単式簿記で使う5つの簡易帳簿を理解できるようになりますよ!
それではどうぞ!
簡易帳簿とは?
このタイトルでは、簡易帳簿の基礎を解説します。
それでは見ていきましょう!
簡易帳簿の導入
簡易帳簿とは、単式簿記で作成された帳簿のこと。お小遣い帳のように、誰でも、簡単に、帳簿を作成できるのが特徴です。
具体的に、簡易帳簿の導入に向くのは、以下のような複式簿記の導入が困難な人になります
簡易帳簿の導入に向く人
- 多忙で複式簿記の習得まで手が回らない人
- 1人で行う事業なので経理を簡単にしたい人
- 経済的に経理業務にお金をかけられない人
複式簿記では「専門知識の習得」や「会計ソフトの導入」に時間やコストが発生するため、全ての人が複式簿記を採用できるとは限りません。
上記のような人でも経理がやりやすいように、お小遣い帳感覚で作業ができる簡易帳簿の導入が認められたのです。
なお、簡易帳簿を導入した場合は、白色申告又は青色申告(10万円控除)のどちらかの申告方法しか採用できませんので注意しましょう!
単式簿記と複式簿記の違いについては、以下の記事を参考にしてください!
簡易帳簿の種類
簡易帳簿には5つの主要簿があります。具体的な帳簿の種類を見てみよう!
簡易帳簿の種類
- 現金出納帳(必要に応じて預金出納帳も追加)
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
上記のラインナップから、帳簿種類が限定的だとわかりますよね!
時間やコストを抑えるために、必要最低限な範囲をカーバーするのが簡易帳簿なのです。
なお、簡易帳簿で記帳した収支は、毎月「月別総括集計表」に集計します。
月別総括集計表は、確定申告の収支内訳書又は損益計算書の作成に使うと覚えておこう。
白色申告では、簡易帳簿よりもシンプルな帳簿の採用も認められています。詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
5つの簡易帳簿
このタイトルでは、単式簿記で使う5つの簡易帳簿を紹介します。
それでは見ていきましょう。
現金出納帳
現金出納帳は、現金の残高を知るために作成する帳簿。お小遣い帳のように簡単に現金を管理できるのが特徴です。
具体的に、現金出納帳の内容を見てみよう!
現金出納帳の残高は、金庫などの中にある現金の実際有高と一致しなければなりません。
仮に、残高と有高が一致しない場合は、原因を調査して現金出納帳の修正が必要になります。
なお、現金出納帳の「現金売上」と「現金仕入」は、毎月の合計額を「月別総括集計表」に集計するので覚えておこう!
売掛帳
売掛帳は、売掛金残高を知るために作成する帳簿。得意先ごとに売掛金を管理するため、未回収残高を正確に把握できるのが特徴です。
具体的に、売掛帳の内容を見てみよう!
上記から杉並商店の売掛金残高は、売掛帳の「差引残高」から直ぐにわかりますよね!
このように、売掛金の回収や未回収を管理するために、売掛帳の作成が必要となるわけです。
なお、売掛帳の「売上金額」は、毎月の合計額を「月別総括集計表」に集計するので覚えておこう!
買掛帳
買掛帳は、買掛金残高を知るために作成する帳簿。仕入先ごとに買掛金を管理するため、未払残高を正確に把握できるのが特徴です。
具体的に、買掛帳の内容を見てみよう!
上記から千代田商事の買掛金残高は、買掛帳の「差引残高」から直ぐにわかりますよね!
このように、買掛金の支払いや未払いを管理するために、売掛帳の作成が必要となるわけです。
なお、買掛帳の「仕入金額」は、毎月の合計額を「月別総括集計表」に集計するので覚えておこう!
経費帳
経費帳は、使った経費の金額を集計するための帳簿。消耗品費・水道光熱費・通信費など、科目ごとに分けて経費帳を作成するのが特徴です。
具体的に、経費帳の内容を見てみよう!
上記から科目ごとに経費帳が作成されているとわかりますよね!
経費帳の作成により、科目ごとに毎月いくら使ったのかを把握できるようになります。
なお、各経費帳の「月度合計」は、更に「月別総括集計表」に集計するので覚えておこう!
固定資産台帳
固定資産台帳は、減価償却費を計算するための帳簿。減価償却費とは、耐用年数に応じて費用化できる経費のことで、建物・車両運搬具・工具器具備品などが減価償却費の計算対象になります。
具体的に、固定資産台帳の内容を見てみよう!
上記から、令和4年1月15日に250万円で買ったハイエースが、毎年417,500円ずつ減価償却費として費用化されているとわかりますよね!
このように、固定資産ごとに減価償却費を計算するのが固定資産台帳の役割なのです。
なお、確定申告のときに収支内訳書又は損益計算書を作成するために、固定資産台帳が必要になるので覚えておこう!
月別総括集計表
月別総括集計表とは、簡易帳簿から収入や支出の科目を集計した資料です。この資料は、確定申告のときに収支内訳書又は損益計算書を作成するために使います。
具体的に、月別総括集計表の内容を見てみよう!
上記を見てみると、簡易帳簿から月別に「収入」と「支出」の合計を抽出して集計しているとわかりますよね。
具体的には、簡易帳簿から以下の内容を抽出しています。
- 現金出納帳:月別の現金売上と現金仕入
- 売掛帳:月別の掛売上
- 買掛帳:月別の掛仕入
- 経費帳:科目ごとの月別計
- 固定資産台帳:毎年の減価償却費(12月のみ)
このように、毎月の収支を月別総括集計表に集計することで、収支内訳書又は損益計算書が作成しやすくなるのです。
まとめ:会計ソフトの検討も!
単式簿記で使う5つの簡易帳簿を理解できましたか?
今回は、簡易帳簿の基礎と単式簿記で使う5つの帳簿について紹介しました。
最後に、簡易帳簿と集計資料の内容をおさらいしましょう!
帳簿 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
簡易帳簿 | 現金出納帳 | 現金に絞って作成する帳簿 |
売掛帳 | 売掛金に絞って得意先別に作成する帳簿 | |
買掛帳 | 買掛金に絞って仕入先別に作成する帳簿 | |
経費帳 | 経費の科目ごとに絞って作成する帳簿 | |
固定資産台帳 | 固定資産の減価償却費を計算する帳簿 | |
集計資料 | 月別総括集計表 | 簡易帳簿の収支を毎月集計するための資料 |
改めて帳簿の種類を見ると「帳簿が多くて大変そう」と不安に思った人もいるでしょう!
実際に、表計算ソフトを使ったとしても、作業は煩雑となり時間もかかることは否めません。
経理でラクをしたい人は、クラウド会計ソフトの導入を検討してください。
クラウド会計ソフトでは、複式簿記の知識がなくても作業できるソフトが多く、システムの自動化により経理作業が断然にラクになります。
会計ソフト利用料は発生しますが、快適・正確・安心が買えるのでコスパ的にも悪くないですよ!