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こんにちは!テツです。
これからビジネスを始めたい人の中には「ホントに個人事業主で開業しても大丈夫なのか?」と足踏みしている人もいるのではないでしょうか。
今回は、開業入門として「個人事業主のメリットとデメリット」をわかりやすく解説します。
この記事は以下のような人にオススメ!
- ビジネスを始めたいと思っている人
- 個人事業で開業するか悩んでいる人
- 個人事業主の開業を予定している人
個人事業主の特徴を知らずに開業したら、後々に問題が発生して後悔するかもしれません。
まずは開業しようとする組織の「メリットとデメリット」を把握することがとても大切なわけです。
この記事を最後まで読んでもらえれば、
個人事業主のメリットとデメリットを理解したうえで、開業の判断できるようになります。
それではどうぞ。
個人事業主のメリット
個人事業主のメリットには、主に4つの特徴があげられます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
開業費用がかからない
個人事業主の開業では、法人のような設立費用は発生しませんが、税理士に依頼すると開業費用がかかります。
設立費用
開業費用
- 登記しないので印紙代がかからない。
- 定款も無いので認証料もかからない。
- 自分で開業届を作成すればタダ。
- 税理士に依頼すると報酬料がかかる。
開業手続きは、「freee」や「マネーフォワード]」が開業支援のために無償でクラウドソフトを提供しています。それを使えば、誰でも簡単に開業届が作成できます。
したがって、税理士に依頼しなくても大丈夫です。
このように個人事業主は、開業に伴う費用が一切かからない手軽さが特徴になります。
事務にかける労力が少ない
個人事業を本人のみで運営する場合、法人と比べて事務負担がかなり軽減されます。
事務 | 個人事業主 | 法人 |
---|---|---|
社長給与の計算 | なし | あり |
源泉徴収と納税 | なし | あり |
年末調整の作業 | なし | あり |
社会保険の手続 | なし | あり |
個人事業主は、稼いだ利益が全て本人の所得になるため、給与自体がありません。したがって、給与に関する事務負担がないのです。
また、個人事業主は、国民健康保険と国民年金に加入済みなので、社会保険の手続も必要ありません。
このように、法人と比べて個人事業主は、事務にかかる労力が少ないところに特徴があります。
自分で確定申告ができる
自分で確定申告をする個人事業主が増えました。クラウド会計の発展により、経理作業が簡単になったからです。
例えば、次のような点があげられます。
- 簿記の知識がなくても帳簿づけができるシステム機能
- 確定申告書の作成が誰でも簡単にできるガイダンス機能
さすがに法人ではこのようにいきません。
確定申告書の作成では、膨大な知識が必要になるため、税理士に依頼する法人がほとんどです。
このように個人事業主は、税理士費用をかけずに自分で確定申告ができるところに特徴があるのです。
利益が低いうちは税金が安い
個人事業で稼いだ利益が低いうちは、法人よりも税金が安くなります。例えば、事業で稼いだ利益(所得)が300万円だった場合、税率は以下のようになります。
個人事業主
法人
- 所得税率:10%
- 法人税率:15%
上記からもわかるとおりに、個人事業主の方が低い税率になります。
このように利益が低いうちは、
法人と比べて個人事業主の方が税率が低くなり、納める税金が安くなるのです。
個人事業でスモールビジネスを始める人にとっては、とても魅力的な特徴だと言えるでしょう。
個人事業主のデメリット
個人事業主のデメリットには、主に4つの特徴があげられます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
社会的な信用度が低い
個人事業主は、法人と比べて財政基盤が弱いため、社会的な信用度が低く見られがちです。しかし、取引相手によっては、社会的な信用度の見方も変わってきます。
BtoB(会社間取引)
BtoC(消費者向け取引)
- 社会的な信用度を重視する
- 社会的な信用度はあまり関係ない
BtoB(会社間取引)をメインに行う事業では、継続的に安定した取引ができる相手なのかを判断されます。そのために、財政基盤が弱い個人事業主は、社会的な信用度から不利になるケースが多いのです。
逆に、BtoC(消費者向け取引)をメインに行う事業では、商品やサービスの質・店舗運営などの評判が重要です。そのため、財政基盤が弱いなどの社会的な信用度はあまり関係ありません。
このように、社会的な信用度の低さが根底にあるので、メインの取引相手が誰なのかによって個人事業主で開業すべきかを判断しよう。
融資審査が厳しくなりがち
個人事業主は、法人と違って社長給与がないため、事業資金と生活資金の境界が曖昧になりやすい。仮に事業資金を融資しても、生活費に使われる恐れがあることから、融資審査が厳しくなりがちです。
一般的に金融機関がお金を融資する理由は、
- 事業収益を増やしてもらうため
- 増えた収益の中から元本の返済と利息を貰うため
融資を元手に事業収益を増やしてもらい、増えた収益から元本と利息を貰うという好循環を目的にして、金融機関はお金を貸してくれます。
したがって、融資したお金が生活資金に回ってしまっては、事業資金も目減りするので好循環が難しくなる恐れがあるため、個人事業主の融資審査は厳しくなりがちなのです。
このように、個人事業主は、潜在的に融資審査が厳しくなる傾向にあることを覚えておこう。
正社員の採用がしにくい
個人事業主は、法人と比べて正社員の採用がしにくい面があります。具体的には、以下の理由により個人事業主は人気がないのです。
- 法人と比べて社会保険などの福利厚生の充実に劣る
- 法人と比べて経営規模が小さいので安定性が乏しい
以上からも解るとおりに、法人に就職した方が断然に生活が安定充実するので、個人事業主の求人募集をわざわざ受けたいと思わないのです。
ただし、飲食店や小売店などのBtoCビジネスはアルバイト採用が多いので、時給の折り合いさえつけば採用しにくいことはありません。
このように個人事業主の正社員採用は、法人と比べて難しい傾向にあります。
開業時から正社員採用して事業を拡大していきたい人は、法人で起業することも視野に入れましょう。
利益が増えると税金が高い
個人事業主は、利益(所得)が増えるほど税金が高くなります。納める所得税が累進課税制度を採用しているためです。
所得範囲 | 所得税率 |
---|---|
195万円未満 | 5% |
195万円以上 330万円未満 | 10% |
330万円以上 695万円未満 | 20% |
695万円以上 900万円未満 | 23% |
900万円以上 1,800万円未満 | 33% |
1,800万円以上 4,000万円未満 | 40% |
4,000万円以上 | 45% |
以上のように、所得税は所得範囲ごとに税率が区分されていて、所得範囲を超えるたびに所得税率もアップしていく仕組みです。
一般的には、個人事業の所得800万円を目安に法人化するかを検討します。中小法人の方が税金が安くなる場合があるからです。
- 所得800万円まで:法人税率15%
- 所得800万円超部分:法人税率23%
開業初年度から利益が800万円を超える見込みであれば、初めから法人で起業した方が税金面でお得になるかもしれません。
このように個人事業主は、利益が増えるほど税金が高くなる特徴があることを覚えておこう。
まとめ:長所・短所から見える開業判断
個人事業主のメリットとデメリットを理解できましたか?
個人事業主のメリットとデメリットの特徴を解説してきましたが、最後に表にしてまとめますね。
メリット
デメリット
- 開業費用がかからない
- 事務にかける労力が少ない
- 自分で確定申告ができる
- 利益が低いうちは税金が安い
- 社会的な信用度が低い
- 融資審査が厳しくなりがち
- 正社員の採用がしにくい
- 利益が増えると税金が高い
特に、個人事業主のデメリットの特徴を理解することで、「個人事業で開業か」又は「法人で起業か」をある程度判断できるようになったと思います。
最後に、個人事業主は、スモールビジネス向けだと考えてください。
スモールビジネスから始めて、経営規模が大きくなってきたら法人化する。このようなイメージを持つ人が、個人事業主に向いていると思います。