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こんにちは!テツです。
経理を始めるにあたって「えっ、簿記の種類ってたくさんあるの?」とフリーズした人もいるのではないでしょうか。
実は、簿記には「単式簿記」と「複式簿記」の2種類が存在します。
今回は、複式簿記と単式簿記の違い押さえたうえで、メリットやデメリットを徹底解説します。
この記事は以下のような人にオススメ!
- 開業したばかりの人
- 初めて経理をする人
- 簿記を学習したい人
単式簿記と複式簿記の違いや特徴を知らなければ、自分の力で経理ができるかわかりません。
どちらの簿記が自分に合っているのか?判断する必要があるわけです。
この記事を読み進めれば、単式簿記と複式簿記の「違い」と「特徴」の理解が深まります。
最後には、単式簿記と複式簿記のどちらを採用するべきか判断できるようになりますよ!
それではどうぞ!
単式簿記と複式簿記の違いは?
簿記には、単式簿記と複式簿記の方法があり、それぞれ記帳方法に違いがあります。
なお、記帳とは、帳簿記入の略語なので覚えておこう!
単式簿記
複式簿記
発生した取引に対して、1つの科目に絞って記帳する方法
発生した取引に対して、2つ以上の科目を使って記帳する方法
上記の表から、記帳方法に違いがあると分かったと思います。
それでは「単式簿記」と「複式簿記」の具体的な特徴を見ていきましょう!
単式簿記
単式簿記とは、発生した取引を1つの科目に絞って記帳する方法。専門知識を必要とせず、お小遣い帳のように記帳できるのが特徴です。
単式簿記でよく使う「現金出納帳」の記入例を見てみよう。
上記から、現金という1つの科目に絞った帳簿に、取引が記帳されていると分かりますよね!
発生した取引は、お小遣い帳のように収入や支出に記帳して作業が完了になります。
このように、取引を1つの科目に絞って、帳簿に記入する方法が単式簿記なのです。
単式簿記は、白色申告と青色申告(10万円控除)で採用される方法です。単式簿記をもっと知りたい人は、以下の記事を参考にしてください!
>>簡易帳簿とは?単式簿記で使う5つの帳簿を紹介【青色申告】
複式簿記
複式簿記とは、発生した取引を2つ以上の勘定科目を使って記帳する方法。複雑なルールで記帳するため、専門知識が必要になるのが特徴です。
複式簿記で使う「仕訳帳」と「総勘定元帳」の記入例を見てみよう!
上記から、消耗品費と現金という2つの科目を使った元帳に、取引が転記されていると分かりますよね!
発生した取引は、仕訳帳で「原因」と「結果」の2つの科目に分けて整理し、仕訳内容を総勘定元帳に転記したら作業が完了になります。
このように、専門知識を使って取引を2つ以上の科目で仕訳し、帳簿に記入する方法が単式簿記なのです。
複式簿記は、青色申告(55万円・65万円控除)で採用される方法です。複式簿記をもっと知りたい人は、以下の記事を参考にしてください!
単式簿記のメリットとデメリット
単式簿記のメリットとデメリットを解説します。
それでは見ていきましょう!
メリット:誰でも簡単に記帳ができる!
単式簿記は、誰でも簡単に記帳ができる点がメリット。簿記の専門知識を必要しない方法だからです。
なお、具体的なメリットは、以下のとおりになります。
確定申告の種類によって、帳簿種類が限られている点がポイントです。
白色申告
(控除無し)
青色申告
(10万円控除)
- 法定帳簿
(収入金額や必要経費がわかる帳簿) - 任意帳簿
(上記以外に作成された帳簿)
- 現金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
青色申告の方は「帳簿種類が意外と多いなぁ~」と感じた人もいるかも知れません。
しかし、白色申告の方は、かなり帳簿種類が限定的だとわかりますよね!
また、白色申告と青色申告の帳簿は、お小遣い帳と同じように記帳するだけです。
誰でも簡単に記帳できる仕様になっています。
このようなメリットから単式簿記は、簿記初心者に向いている記帳方法だと言えるでしょう!
白色申告の帳簿についてもっと知りたい人は、以下の記事を参考してください。
デメリット:貸借対照表が作成できない!
単式簿記は、貸借対照表を作成できない点がデメリット。単式簿記では、先に解説したとおりに、限られた帳簿しか作成しません。そのため、貸借対照表の作成に必要な「資産」「負債」「資本」の科目を集計できないのです。
なお、具体的なデメリットは、以下とおりになります。
会社の財政状態の把握ができない点が残念なポイントです!
- 資産の状況を把握できない
- 負債の状況を把握できない
- 純資産の状況を把握できない
上記のように、会社の財政状態に関わる内容を把握できないと、経営の舵取りにも大きな影響が出てきますよね!
このようなデメリットから単式簿記は、財政状態の把握があまり必要ではない「フリーランス」や「副業事業者」に向いている記帳方法だと言えるでしょう。
単式簿記が採用される「白色申告」と「青色申告(10万円控除)」では、貸借対照表の提出はありません。
複式簿記のメリットとデメリット
複式簿記のメリットとデメリットを解説します。
それでは見ていきましょう!
メリット:財務諸表が作成できる!
複式簿記は、財務諸表を作成できる点がメリット。複式簿記では、取引を2つ以上の科目を使って記帳するため、網羅的に帳簿を作成します。そのため、貸借対照表と損益計算書と呼ばれる財務諸表を作成できるのです。
なお、具体的なメリットは、以下のとおりになります。
会社の経営状態を把握できる点が魅力的なポイントです。
- 会社の経営改善に役立つ
- 銀行が、会社の経営状態の把握により融資判断できる
- 税務署が、所得税などの税額計算の正誤を判定できる
上記から分かるように、自社を含めて多くの関係者が、会社の経営状況を判断できますよね!
自社の経営改善、銀行の融資判断、税額の正誤判定に活用できるわけです。
このようなメリットから、
複式簿記は、こらから事業拡大を目指すような会社に向いている記帳方法だと言えるでしょう。
財務諸表が作成されるまでの流れを知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
デメリット:簿記の専門知識が必要!
複式簿記は、簿記の専門知識が必要な点がデメリット。仕訳や転記などの記帳方法がわからないと、作業ができないわけです。
具体的なデメリットは、以下のとおりになります。
複式簿記のルールを理解するまでに、多くの時間がかかる点が残念なポイントです。
- 貸借一致の原則(借方と貸方のしくみ)の理解
- 資産・負債・資本・収益・費用の5分類の理解
- 上記の5分類から勘定科目の種類や役割の理解
- 試算表から貸借対照表と損益計算書の作成方法
上記からもわかったと思いますが、個人事業主であれば、簿記3級レベルの学習が必要です。
簿記の専門知識を身につけるのは大変に感じますが、一度覚えてしまったら意外と簡単に記帳できるようになりますよ!
このようなデメリットから、
複式簿記は、簿記の勉強に時間をさける人に向いている記帳方法だと言えるでしょう!
実は、クラウド会計ソフトを使えば、専門知識がなくても複式簿記で経理が可能です。導入を検討してみてはいかがでしょうか!
まとめ:複式簿記がおすすめ!
単式簿記と複式簿記の違いや特徴についてわかりましたか?
今回は、単式簿記と複式簿記の違いを押さえたうえで、メリットやデメリットを解説してきました。
最後にどちらを採用した方がよいかの判断基準をまとめます。
単式簿記に向いている人
複式簿記に向いている人
- 簿記の勉強せずに経理をはじめたい
- 白色申告又は青色申告(10万円控除)でOK
- フリーランスや副業事業者
- 財務諸表から経営の改善点を分析したい
- 青色申告(55万円・65万円控除)を受けたい
- 事業を拡大を目指していきたい会社
上記から、自分がどのスタイルなのかを判断して、適切な簿記の方法を選びましょう!
筆者的には、断然に「複式簿記」をおすすめしています。
クラウド会計ソフトを使えば、専門知識がなくても複式簿記で経理ができるからです。
複式簿記の採用により、青色申告(55万円・65万円控除)の節税効果を受けれるのが最高ですしね!
いずれにしても、自分のスタイルにあった簿記の方法を選ぶようにしてください。