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受取手形とは?手形の取立・裏書・割引の仕訳を簡単に解説

2024年1月25日

受取手形とは?手形の取立・裏書・割引の仕訳を簡単に解説

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こんにちは!テツです。

初めて手形取引をして「手形を受け取ったときはどうするんだっけ?」と悩んでいる人もいると思います。

実は、あなたが受け取った手形には決済方法がいくつかあるのです。

今回は、受取手形の決済と手形の取立・裏書・割引の仕訳を簡単に解説します。

テツ
テツ

この記事は、以下のような人におすすめ!

  • 簿記の知識が不足している人
  • 支払手形の種類を学びたい人
  • 支払手形の仕訳を知りたい人

受取手形の決済方法を知らないと、会社の資金繰りを円滑に回せなくなるかもしれません。

健全な資金繰り状態を保つためにも、受取手形の決済方法を学んでおく必要があるわけです。

この記事を読み進めれば、受取手形の取立・裏書・割引の決済方法がわかります。

最後には、受取手形の決済方法を理解したうえで、正確な仕訳ができるようになりますよ!

それではどうぞ!

Contents
  • 受取手形とは
    1. 受取手形の決済
    2. 受取手形の簿記分類
  • 受取手形の仕訳
    1. 手形を受け取ったとき
    2. 手形を取り立てたとき
    3. 手形を裏書きしたとき
    4. 手形を割引きしたとき
  • まとめ:不渡りに備えよう!

受取手形とは

このタイトルでは、受取手形の決済と分類について解説します。

それでは見ていきましょう!

受取手形の決済

受取手形とは、約束手形・為替手形を受け取ったときに使う勘定科目のこと。受取手形には、通常取立・裏書譲渡・銀行割引の決済方法があります。

具体的に、受取手形の決済を見てみよう!

決済方法内容
通常取立支払期日が到来したら銀行で取立を依頼する方法
裏書譲渡仕入先の債務を減らすために手形を譲渡する方法
銀行割引支払期日前の手形を銀行で買い取ってもらう方法

受取手形の決済は、支払期日が到来してから銀行で取立するのが通常。資金繰りなどの都合で支払期日前に受取手形を処分したいときに、裏書譲渡や銀行割引の決済方法を活用します。

裏書譲渡は、手形の裏面に記名捺印して仕入先などに手形を譲渡する方法。裏書譲渡により仕入先などの債務を減らせるので資金繰りの改善につながります。

銀行割引は、手形割引日から支払期日までの割引料を手形額面から差し引いて、手形を銀行に買い取ってもらう方法。銀行割引により支払期日前に手形を換金できるので資金繰りの改善につながります。

このように、受取手形の決済には、通常取立・裏書譲渡・銀行割引があると覚えておこう!

ポイント

先日付小切手を受け取ったときも受取手形として処理します。先日付小切手は、約束手形のしくみと同じように振出日が到来するまで決済できないからです。

受取手形の簿記分類

受取手形は、簿記の5大要素のうち資産に分類される勘定科目です。受取手形の仕訳をするときは、簿記5大要素の「増加と減少」から「借方と貸方」の記帳方法を判別します。

具体的に、簿記の5大要素から受取手形の簿記分類と記帳方法を見てみよう!

受取手形の分類と記帳

簿記の5要素「資産」

借方勘定科目貸方
増加(+)【資産】減少(▲)
受取手形
売掛金

上記から支払手形は、資産に分類される勘定科目だと解りますよね!

負債「受取手形」の記帳方法は、受取手形が増えたときは借方に記帳。減ったときは貸方に記帳すると判別できます。

このように、受取手形の簿記分類は「資産」に含まれて、その分類の増減から「借方と貸方」の記帳方法がわかると覚えておこう!

メモ

簿記の5要素とは、勘定科目を「資産・負債・純資産・収益・費用」に分類して、借方と貸方のどちらで記帳するのかを定めた仕訳ルールのことです。

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それでは見ていきましょう!

手形を受け取ったとき

受取手形を受け取ったときは、受取人が手形代金を貰う権利を得るので受取手形の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「受取手形の受取時」の仕訳を見てみよう!

例題「受取手形の受取時」

得意先に商品300円を販売して約束手形を受け取った。

仕訳帳

借方貸方
科目金額科目金額
受取手形300売上300

約束手形を受け取ったので、仕訳帳の借方に「受取手形の増加」を記帳。商品を販売したので、貸方には「売上の増加」を記帳して、仕訳は完了です。

このように、手形を受け取ったときは、受取手形が増えるので仕訳帳の借方に記帳すると覚えておこう!

ポイント

先日付小切手を受け取ったときも、上記の例題のように受取手形の増加を仕訳してください。

手形を取り立てたとき

受取手形を支払期日に取り立てたときは、受取人の手形代金を貰う権利もなくなるので受取手形の減少を仕訳します。具体的に例題を使って「受取手形の取立時」の仕訳を見てみよう!

例題「受取手形の取立時」

受取手形が支払期日を迎えたので銀行で取立依頼を行い、取立代金を当座預金に300円を預け入れた。

仕訳帳

借方貸方
科目金額科目金額
当座預金300受取手形300

当座預金に預け入れたので、仕訳帳の借方に「当座預金の増加」を記帳。受取手形を取り立てたので、貸方には「受取手形の減少」を記帳して、仕訳は完了です。

このように、手形を取り立てたときは、受取手形が減るので仕訳帳の貸方に記帳すると覚えておこう!

ポイント

支払人の支払拒絶によって支払期限になっても手形代金を取り立てできない場合があります。この状態を不渡りと呼び、不渡りが起きたときは受取手形を不渡手形に振り替える処理が必要になります。

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手形を裏書きしたとき

受取手形を裏書譲渡したときは、受取人の手形代金を貰う権利もなくなるので受取手形の減少を仕訳します。具体的に例題を使って「受取手形の裏書時」の仕訳を見てみよう!

例題「受取手形の裏書時」

仕入先の買掛金200円の支払いのために、得意先振出の約束手形を裏書譲渡した。

仕訳帳

借方貸方
科目金額科目金額
買掛金200受取手形200

買掛金を支払ったので、仕訳帳の借方に「買掛金の減少」を記帳。約束手形を裏書譲渡したので、貸方には「受取手形の減少」を記帳して、仕訳は完了です。

このように、手形を裏書きしたときは、受取手形が減るので仕訳帳の貸方に記帳すると覚えておこう!

ポイント

裏書譲渡した手形が不渡りになったときは、裏書人が手形代金の支払義務を負います。裏書手形が支払期日に換金されるまでは、被裏書人に対する支払義務が生じていると覚えておいてくださいね。

手形を割引きしたとき

受取手形を銀行割引したときは、受取人の手形代金を貰う権利もなくなるので受取手形の減少を仕訳します。具体的に例題を使って「受取手形の割引時」の仕訳を見てみよう!

例題「受取手形の割引時」

得意先振出の約束手形200円を銀行で割引をして、割引料10円を差し引いた残額を当座預金に預け入れた。

仕訳帳

借方貸方
科目金額科目金額
当座預金190受取手形200
手形売却損10

当座預金に預け入れと手形割引の損失が発生したので、仕訳帳の借方に「当座預金と手形売却損の増加」を記帳。約束手形を割り引いたので、貸方には「受取手形の減少」を記帳して、仕訳は完了です。

このように、手形を割引したときは、受取手形が減るので仕訳帳の貸方に記帳すると覚えておこう!

ポイント

銀行割引では、割引料が差し引かれるため手形額面よりも安い金額で銀行に売却したことになります。そのために手形売却損が発生するのです。

まとめ:不渡りに備えよう!

テツ
テツ

受取手形の取立・裏書・割引の決済方法についてわかりましたか?

今回は、受取手形の決済と手形の取立・裏書・割引の仕訳を簡単に解説しました。

最後に、受取手形で押さえておきたいポイントをまとめますね!

  • 受取手形の裏書譲渡は、手形の裏面に記名捺印して仕入先などに手形を譲渡する方法
  • 受取手形の銀行割引は、割引料を差引かれて手形を金融機関に買い取ってもらう方法

受取手形の裏書譲渡や銀行割引は、資金繰りを円滑に回すための有効な手段になりますが、手形代金が換金されるまでは被裏書人や金融機関に対しての支払義務が残ります。

この支払義務を裏書義務や割引義務と呼び、不渡りに備えて支払準備をしておく必要があるのです。

不渡りに備えるためにも、あなたが使いやすいと思う会計ソフトを導入してください。

会計ソフトを使って裏書義務や割引義務を管理して「いざ」という時に備えておくとよいでしょう!

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    記事の目次
    • 受取手形とは
      1. 受取手形の決済
      2. 受取手形の簿記分類
    • 受取手形の仕訳
      1. 手形を受け取ったとき
      2. 手形を取り立てたとき
      3. 手形を裏書きしたとき
      4. 手形を割引きしたとき
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