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こんにちは!テツです。
当座預金を開設したのは良いけど「使い方がよく解らないよぉ!」と足踏みしている人もいるのではないでしょうか。
実は、当座預金は小切手を使って決済を行っていくのです。
今回は、当座預金の使い方と小切手や当座借越の仕訳をわかりやすく解説します。
この記事は、以下のような人におすすめ!
- 当座預金の開設を考えている人
- 当座預金の使い方を学びたい人
- 小切手や当座借越の仕訳を知りたい人
当座預金の使い方を知らないと、不渡りを起こすなど取引先に迷惑をかけるかもしれません。
周りに迷惑をかけないためにも、当座預金の使い方や仕訳を学んでおく必要があるわけです。
この記事を読み進めれば、当座預金の使い方や仕訳のやり方がわかります。
最後には、当座預金の基本を理解したうえで、正確に仕訳が行えるようになりますよ!
それではどうぞ!
当座預金とは
このタイトルでは、当座預金の使い方や簿記分類について解説します。
それでは見ていきましょう!
当座預金の使い方
当座預金とは、決済用口座のひとつで小切手を使って決済を行います。決済用口座なので預金利息は付きませんが、銀行などが破綻しても預金の全額が保証されるのが特徴です。
具体的に、当座預金の使い方を見てみよう!
当座預金の使い方
- 預金口座の預入は、窓口・振込・ATMに原則対応
- 預金口座の出金や支払は、小切手を振出して行う
- 小切手で決済するので、振込支払は利用できない
- 預金口座の残高不足対策に当座借越を利用できる
当座預金の預け入れは、原則、普通預金と同じしくみです。
出金や支払は、小切手を振り出す必要があるため、普通預金のように振込支払の利用はできません。
当座預金残高が不足すると、小切手による引出や支払ができません。
取引銀行と当座借越契約を結んでおくと、残高不足に陥っても契約上限までは引出や支払が可能となり、突発的な不渡りを防ぐことができます。
このように、当座預金の使い方は、小切手を振り出して決済を行い、当座借越契約で残高不足の対策を行うと覚えておこう!
当座預金の簿記分類
当座預金は、簿記の5大要素のうち資産に分類される勘定科目です。当座預金の仕訳をするときは、簿記5大要素の「増加と減少」から「借方と貸方」の記帳方法を判別します。
具体的に、簿記の5大要素から当座預金の簿記分類と記帳方法を見てみよう!
当座預金の分類と記帳
簿記の5要素「資産」「負債」
借方 | 勘定科目 | 貸方 |
増加(+) | 【資産】 | 減少(▲) |
当座預金 | ||
減少(▲) | 【負債】 | 増加(+) |
支払手形 (先日付小切手) |
上記から当座預金は、資産に分類される勘定科目だと解りますよね!
資産「当座預金」の記帳方法は、当座預金が増えたときは借方に記帳。減ったときは貸方に記帳すると判別できます。
このように、当座預金の簿記分類は「資産」に含まれて、その分類の増減から「借方と貸方」の記帳方法がわかると覚えておこう!
当座預金の仕訳
このタイトルでは、当座預金における一連の仕訳を解説します。
それぞれの仕訳シーンを見ていきましょう!
当座預金に預け入れたとき
事業資金を銀行窓口、ATM、振込で当座預金に預け入れたときは、当座預金の増加を仕訳します。具体的に例題を使って「当座預金の預入時」の仕訳を見てみよう!
例題「当座預金の預入時」
銀行で当座預金の開設して現金500円を預け入れた。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
当座預金 | 500 | 現金 | 500 |
当座預金の開設時に入金したので、仕訳帳の借方に「当座預金の増加」を記帳。現金で預け入れたので、貸方には「現金の減少」を記帳して、仕訳は完了です
このように、当座預金に預け入れたときは、預金残高が増えるので仕訳帳の「借方」に記帳すると覚えておこう!
小切手を振り出したとき
事業資金の引出や仕入代金の支払などで小切手を振り出したときは、当座預金の減少を仕訳します。具体的に例題を使って「小切手の振出時」の仕訳を見てみよう!
例題「小切手の振出時」
買掛金50円の支払いのために小切手を振り出して支払った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
買掛金 | 50 | 当座預金 | 50 |
買掛金を支払ったので、仕訳帳の借方に「買掛金の減少」を記帳。小切手を振り出したので、貸方には「当座預金の減少」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、小切手を振り出したときは、当座預金の残高が減るので仕訳帳の「貸方」に記帳すると覚えておこう!
先日付小切手を振り出したとき
先日付小切手とは、実際の振出日よりも未来の日付で振出日が書かれた小切手のこと。先日付小切手を振り出したときは、支払手形の増加を仕訳します。
具体的に、例題を使って「先日付小切手の振出時」の仕訳を見てみよう!
例題「先日付小切手の振出時」
商品の仕入代金として先日付小切手80円を振り出して支払った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
仕入 | 80 | 支払手形 | 80 |
先日付小切手を振り出したときは、支払手形で処理を行います。支払手形は、簿記の5大要素のうち「負債」に分類されるので、支払手形が増えたときは仕訳帳の貸方に記帳してください。
上記の仕訳を解説すると、
商品を仕入れたので、仕訳帳の借方に「仕入の増加」を記帳。先日付小切手を振り出したので、貸方には「支払手形の増加」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、先日付小切手を振り出したときは、当座預金ではなく支払手形で記帳すると覚えておこう!
自己振出小切手を受取ったとき
以前に自分が振り出した小切手が換金されず手元に戻ってくることがあります。これを自己振出小切手と呼び、受け取ったときは当座預金の増加を仕訳します。
具体的に例題を使って「自己振出小切手の受取時」の仕訳をみてみよう!
例題「自己振出小切手の受取時」
売掛金100円の回収として、以前に当社が振り出した小切手を受取った。
仕訳帳
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
当座預金 | 100 | 売掛金 | 100 |
当社が振り出した小切手を受け取ったので、仕訳帳の借方に「当座預金の増加」を記帳。売掛金を回収したので、貸方には「売掛金の減少」を記帳して、仕訳は完了です。
このように、自社振出小切手を受け取ったときは、当座預金の残高が増えるので仕訳帳の「借方」に記帳すると覚えておこう。
決算時に当座借越があったとき
当座借越は、個人事業の簿記上においては借入金に該当します。決算時に当座借越があったときは、当座預金から借入金に振り替える決算整理仕訳を行い、期首には再振替仕訳を行います。
具体的に例題を使って「当座借越の決算と期首」の仕訳をみてみよう!
例題「当座借越の決算と期首」
決算時に当座預金の残高を調べたところ、当座借越により50円のマイナス残高だった。
【決算:12月31日】
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
当座預金 | 50 | 借入金 | 50 |
【期首:1月1日】
借方 | 貸方 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
借入金 | 50 | 当座預金 | 50 |
当座借越の仕訳は、決算12月31日と期首1月1日に行います。
決算12月31日では、当座預金のマイナス残高を借入金に振り替えるので、仕訳帳の借方に「当座預金の増加」を記帳。貸方には「借入金の増加」を記帳して、仕訳は完了です。
決算整理仕訳の完了後は、青色申告決算書(貸借対照表)に借入金が計上されます。
期首1月1日では、当座預金と借入金を決算整理前の残高に戻すので、決算整理仕訳と逆の処理をすれば仕訳は完了です。この仕訳によって当座預金はマイナス残高に戻り、借入金は消滅します。
再振替仕訳によって、当座預金の本来の残高で入金や出金の管理ができるようになります。
当座借越の決算処理は、決算整理仕訳と再振替仕訳を行うと覚えておこう!
まとめ:不渡りに気をつけよう!
当座預金の使い方や仕訳のやり方はわかりましたか?
今回は、当座預金の使い方と小切手や当座借越の仕訳について解説しました。
最後に、当座預金で押さえておきたいポイントをまとめますね!
当 座 預 金 の 使 い 方 | 当座預金からの出金や支払 | ・小切手を振り出す |
当座預金の残高不足を防ぐ | ・当座借越契約を結ぶ | |
当 座 預 金 の 仕 訳 | 当座預金の預け入れ | ・当座預金の増加を仕訳(借方) |
小切手の振り出し | ・当座預金の減少を仕訳(貸方) | |
先日付小切手の振り出し | ・支払手形の増加を仕訳(貸方) | |
自己振出小切手の受け取り | ・当座預金の増加を仕訳(借方) | |
決算時の当座借越の処理 | ・借入金に振り替える決算整理仕訳 ・決算整理前残高に戻す再振替仕訳 |
当座預金を開設したばかりの人は、上記のポイントをよく理解してから仕訳処理を行ってください。
なお、当座借越契約を結んでいても、契約上限を超える引き落としがあれば不渡りを起こします。
あなたが使いやすいと思う会計ソフトを使って、当座預金の残高を管理するようにしてくださいね!